骨盤裂離骨折
- なんだか最近、骨盤付近に痛みを感じる
- ダッシュをすると骨盤が痛む
- 骨盤の前側に押すと強い痛みが出る
- 骨盤裂離骨折と診断された
- どうやったら治るのか知りたい
1. 骨盤裂離骨折とは・・・
骨盤裂離骨折は、骨盤の腱や靭帯が骨に強く引っ張られることによって、骨の一部が剥がれる(裂離する)タイプの骨折です。
この骨折は特に成長期の若いアスリートによく見られ、筋肉が急に強く収縮することで発生します。
2. 原因
- 急激な筋肉の収縮: サッカー、バスケットボール、陸上競技などのスポーツで急激な方向転換やジャンプによる強い筋肉の収縮が原因となります。
- 過度のストレス: 特定の動作を繰り返し行うことで骨と腱の接合部に過度のストレスがかかります。
- 成長期: 骨成長の速い成長期の若年層は、筋肉が骨よりも強いため、筋肉の引っ張りによる骨折が発生しやすい。
3. 症状
- 急性の痛み: 急激な運動中または運動直後に鋭い痛みを感じることが多いです。
- 腫れと内出血: 骨折部位に腫れや内出血が見られることがあります。
- 運動制限: 痛みにより、動作や運動が徐々に制限されていきます。
- 圧痛: 骨折部位を押すと痛みが強くなります。
4. 診断
- 病歴の確認: 症状の発現状況や運動履歴について詳細に聞き取ります。
- 身体診察: 骨折部位の視診と触診を行います。
- 画像診断:
- X線: 骨折の確認のために最初に行う検査。
- MRI: 軟部組織の損傷や骨折の詳細な評価のために行うことがあります。
- CTスキャン: 骨の詳細な構造を確認するために使用されることがあります。
5. 治療
- 保存療法:
- 安静: 怪我をした部位を安静に保ち、痛みが和らぐまで運動を避けます。
- 治療:治療の内容は、症状に合わせて決定していき、関与している筋肉の状態から改善していきます。
- 運動療法:
- リハビリテーション: 筋力強化と柔軟性の向上を目的としたリハビリテーションプログラムを実施します。
- ストレッチと強化運動: 逐次的にストレッチと筋力強化運動を取り入れ、再発防止と機能回復を目指します。
6. 予防
- ウォームアップとクールダウン: 怪我を防ぐために、運動前後に適切なウォームアップとクールダウンを行います。
- 筋力と柔軟性のバランス: 筋力と柔軟性をバランス良く向上させ、筋肉と腱の強度を高めます。
- 正しい技術とフォーム: スポーツや運動において、正しい技術とフォームを習得し、過度のストレスを避けることが重要です。
運動復帰後も定期的な予防トレーニングを実施していくことが、再発予防にもつながってきます。再発リスクを下げるためにも2~3ヶ月間は、運動復帰後の定期チェックを受けるようにしましょう。
結論
骨盤裂離骨折は、特に若いアスリートに見られる骨折で、急激な筋肉の収縮や過度のストレスが原因となります。
中高生の運動量が増加する期間に発生しやすいので、試合や大会など様々な背景も含めて治療を進めていくことが一般的です。
骨盤裂離骨折についてお悩みの際には、当院へ一度ご相談ください。