骨端線離開


- 子供が転倒後、手首を気にしている
- 野球でボールを投げると肩が痛い
- 足首を捻挫したときに強い痛みがある
【もくじ】
骨端線離開とは・・・

骨端線離開は、成長期の子どもの骨の成長を担う「骨端線」に負荷がかかることで発生する損傷や骨折です。
主に、手首・肩・足首に発生することが多いです。
この疾患は適切に治療しないと成長障害や変形を引き起こす可能性があるため、早期診断と治療が重要です。骨端線離開の原因、症状、診断方法、治療法、予防策について詳しく解説します。
骨端線とは?
骨端線は、成長期の骨に存在する軟骨組織で、骨が長く成長するための重要な部分です。骨端線は骨幹(骨の中央部分)と骨端(骨の末端部分)をつなぐ場所に位置しており、成長期が終わると骨化して消失します。
骨端線は成人には存在しませんが、成長中の子どもには柔らかく、衝撃や圧力に対して弱いため、損傷しやすい部位です。
好発年齢とリスク群

骨端線離開は10〜15歳の成長期の子どもに多く見られます。特に、以下のようなリスク要因を持つ子どもは注意が必要です。
- スポーツ活動を頻繁に行う子ども:サッカー、バスケットボール、体操、野球など、体重や衝撃が繰り返しかかるスポーツ。
- 外傷リスクが高い活動:スキー、スケートボード、自転車競技など。
- 急激な成長期:骨端線が特に活発な時期には損傷のリスクが高まります。
小学生から中学生くらいまでは、骨が完全に成長しきっていないこともあり、軟骨部分の損傷が多くなる傾向があります。
骨端線離開の原因
骨端線離開は、成長期の子どもに特有の外傷性疾患で、以下の原因によって引き起こされます。
1. 外傷
転倒やスポーツ中の衝撃など、直接的な外力が骨端線に加わることで発生します。
- 高所からの落下。
- 衝突やねじれ動作。
2. 過度な繰り返し負荷
特定のスポーツや動作で、同じ部位に繰り返し負荷がかかることで骨端線が損傷します。
3. 不適切なトレーニング
成長期の骨が未成熟な状態で無理な筋トレや過剰な運動を行うことで、骨端線が耐えられない負荷を受けます。
骨端線離開の症状
骨端線離開の症状は損傷の程度や部位によって異なりますが、以下のような特徴があります。
1. 痛み
- 損傷部位に鋭い痛みを感じる。
- 運動時や圧迫時に痛みが悪化。
2. 腫れと変形
- 骨端線周辺の腫れ。
- 骨の形状が変化している場合も。
3. 可動域制限
- 損傷部位の関節を動かすと痛みが増し、可動域が制限される。
4. 機能障害
- 日常動作やスポーツ活動が困難になる。
診断
骨端線離開の診断は、主に以下の手法で行われます。
1. 問診
- 症状が発生した状況、痛みの部位、スポーツ歴などを確認。
2. 身体診察
- 損傷部位を視診・触診し、腫れや圧痛の有無を確認。
- 関節の動きや可動域を評価。
3. 画像診断
- X線撮影: 骨端線のずれや骨折の有無を確認。初期段階では異常が見られない場合もある。
- MRI: 軟部組織や骨端線の詳細な損傷を評価。
- 超音波検査: 骨端線の周囲の状態をリアルタイムで確認。
治療法

骨端線離開の治療は、損傷の程度や部位に応じて異なります。検査や状態に合わせて、処置の方法を選択していきます。
1. 保存療法
軽度の損傷の場合、以下の方法が用いられます。
- 安静: 損傷部位に負荷をかけないようにする。
- 固定: ギプスやサポーターで関節や骨を固定。
- アイシング: 炎症や腫れを抑えるために患部を冷やす。
- 痛み止めの使用: 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で痛みを軽減。
2. 手術療法
重度の損傷や骨端線のずれが大きい場合は手術が必要です。
- 骨固定術: ピンやプレートを使用して骨端線を元の位置に固定。
- 軟骨保護術: 骨端線の軟骨部分を保護し、成長を妨げないようにする。
小中学生へのオペ判断は、よほどの状態でない限り、基本的には選択しないのが無難です。固定具を用いて、安静を図り組織の回復を促すのが最優先になります。
リハビリテーション
治療後は、以下のリハビリテーションを行い、完全な回復を目指します。
- 可動域の回復: 固定解除後に関節の動きを取り戻す。
- 筋力強化: 周囲の筋肉を鍛え、再発を防ぐ。
- 段階的な運動復帰: 無理のない範囲で徐々にスポーツや日常生活に戻る。
骨端線離開に関しては、骨の損傷になってくるためリハビリが重要です。日常生活動作や負荷の獲得、運動時の動作獲得、強度を意識したリハビリを行うようにしていきます。
予防策
骨端線離開を予防するには、成長期の骨を守る適切なケアが重要です。
1. 正しい運動方法を学ぶ
- スポーツやトレーニングで無理な負荷をかけない。
- 専門家の指導を受ける。
2. 装具や用具の使用
- 関節を保護するためのサポーターや靴を使用。
- 運動時の安全装具を適切に装着。
3. 成長期の体に合わせた活動量
- 長時間の運動を避け、適度な休息をとる。
- 運動量を急激に増やさない。
4. バランスの取れた栄養
- 骨の成長を促すカルシウムやビタミンDを摂取。
- 骨密度を高めるための食事を意識する。
まとめ
骨端線離開は、小学生~中学生に好発します。
単純な痛みではなく、持続的かつ痛みが強い場合には精密な検査を実施し、状態を把握することが大切です。
骨端線離開をそのままにしてしまうと、成長障害などのリスクも関わってくるため、早めの処置とリハビリが大切になってきます。
当院では、運動中のケガや痛みを専門に施術することができる接骨院です。さいたま市・久喜市周辺で運動時の痛みでお困りの際には、ご相談ください。