腰椎圧迫骨折

  1. ご年配の家族で腰の痛みを訴えている
  2. 尻もちをついた後から腰が痛む
  3. 腰の痛みが前から気になっている

腰椎圧迫骨折は、高齢者を中心に発生しやすい骨折の一種であり、特に骨密度が低下する骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と密接な関連があります。

腰椎圧迫骨折の好発年齢、原因、症状について詳しく解説し、さらに治療法や予防策についてご紹介していきます。

腰椎圧迫骨折とは?

まず、腰椎圧迫骨折とはどんな状態なのかについてです。

腰椎圧迫骨折とは、腰椎(腰の部分の脊椎)の骨が圧力を受けて潰れるように変形する骨折のことを指します。この骨折は、脊椎の安定性を損ない、日常生活に多大な影響を及ぼす可能性があります。

圧迫骨折は、主に脊椎の前方部分に発生しやすく、骨折後には脊椎の形状が楔(くさび)型に変形することが特徴です。重症化すると神経の圧迫が起こり、しびれや麻痺などの神経症状を引き起こすこともあります。

好発年齢

腰椎圧迫骨折は、特に60歳以上の高齢者に多く見られます。その主な原因は、加齢に伴う骨密度の低下です。骨密度が低下すると、軽微な外力でも骨折が生じる可能性が高まります。

  • 50代後半~60代: 骨密度の低下が徐々に進行し、骨折リスクが上昇。
  • 70代以降: 骨粗鬆症が顕著となり、くしゃみや日常動作などのわずかな力でも骨折することがあります。
  • 女性に多い理由: 女性は閉経後にエストロゲン(骨密度を維持するホルモン)の分泌が減少するため、男性よりも骨折リスクが高まります。

腰椎圧迫骨折の原因

腰椎圧迫骨折の原因は大きく分けて以下の2つに分類されます。

1. 骨粗鬆症

骨粗鬆症によって骨が脆くなると、転倒や体重移動などの軽い衝撃でも骨折が起こりやすくなります。この骨粗鬆症は特に高齢者に多く見られ、腰椎圧迫骨折の80%以上の原因を占めるとされています。

骨粗鬆症による骨折の特徴

  • 軽微な外力で発生(例:しゃがむ動作、荷物を持つ動作)
  • 多発性骨折が起こりやすい

2. 外傷

若年層でも、外傷(例:交通事故、スポーツによる衝撃)によって腰椎圧迫骨折が発生することがあります。外傷性の骨折は骨が健康な場合でも起こり得ます。

じっとしていても腰に痛みが残っていたり、長期間腰の骨の部分に痛みを感じている場合にはレントゲン検査などを受けるようにしましょう。

腰椎圧迫骨折の症状

腰椎圧迫骨折の症状は、発生する骨折の程度や原因によって異なります。以下に主な症状が出てきます。

1. 腰の痛み

腰椎圧迫骨折の最も典型的な症状は突然の強い腰痛です。骨折直後に痛みが増し、動作や体位変換でさらに痛みが悪化します。

痛みの特徴

  • 急性期: 強烈な痛みで寝返りや立ち上がりが困難。
  • 慢性期: 痛みが鈍痛に変化し、長時間座ったり立ったりすると悪化。

2. 身長の低下

骨折による脊椎の変形が進行すると、数センチ程度の身長低下が見られることがあります。特に複数回の骨折を繰り返すと身長が著しく縮むケースもあります。

3. 姿勢の変化

骨折により脊椎が変形すると、猫背(円背)の姿勢になることがあります。この姿勢の変化は痛みや動作の制限を引き起こし、生活の質を低下させます。

4. 神経症状

骨折が進行し、脊椎管内の神経が圧迫されると、下肢のしびれや麻痺が発生する場合があります。このような症状が見られる場合は、緊急の医療処置が必要です。

神経への損傷も関与している可能性があるため、なるべく早めにMRIなどの精密な検査を受けることが求められます。

治療法

腰椎圧迫骨折の治療は、症状や骨折の重症度に応じて選択されます。

1. 保存療法

軽度の圧迫骨折では、保存的治療が一般的です。

  • 安静を図る: 急性期には安静が推奨されます。
  • コルセットの使用: 骨折部位を安定させるために装着。この処置が重要です。
  • 鎮痛薬: 痛みを軽減するために使用。
  • 骨粗鬆症治療薬: 骨密度を改善し、骨折の再発を予防。

2. 手術療法

保存療法で効果がない場合や神経症状が顕著な場合には、手術が検討されます。

  • 椎体形成術(Kyphoplasty): 骨折部位にセメントを注入して脊椎の安定化を図る。
  • 脊椎固定術: 骨折部位を金属製の器具で固定。

圧迫骨折のほとんどの場合、保存療法で進めることが一般的です。骨折時の処置と日常生活の動きなど気を付けるべきポイントについて指導を行います。

腰椎圧迫骨折の予防

腰椎圧迫骨折を予防するためには、以下の取り組みが重要です。

1. 骨密度の維持

  • カルシウムやビタミンDを多く含む食品を摂取。
  • 定期的な骨密度検査を受ける。
  • 骨粗鬆症治療薬の使用(必要に応じて)。

2. 筋力トレーニング

筋力を高めることで、転倒リスクを軽減できます。

  • ウォーキングやヨガなどの軽い運動を継続。
  • 高齢者向けのバランストレーニング。

3. 転倒防止策

  • 家庭内の整理整頓や滑り止めの設置。
  • 靴や杖の使用で歩行を安定させる。

これらは、日常的な習慣から予防できます。外へ出たりすることと、軽いトレーニングをすることは圧迫骨折に限らず、骨折やケガの予防につながってきます。

はっとり鍼灸接骨院での処置

腰椎圧迫骨折の処置をはっとり鍼灸接骨院でも行っています。早期回復を促すために、以下のような処置や指導を行います。

  • 低出力超音波を使用して、骨癒合を促す
  • コルセットの使用方法を指導
  • 圧迫骨折の癒合状況を見ながらリハビリの実施
  • ご自宅で出来るセルフケア方法を指導

一般的な処置はもちろんですが、再発予防やこれからの強い体作りに対してもサポートを行っています。

もし、腰椎圧迫骨折でお困りの際には、当院へ一度ご相談ください。